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水素分離膜の種類

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水素分離膜の種類

水素分離膜は水素を分離する構造の違いから次の二種類に分けられます。

多孔質系分離膜

高分子やセラミックスなどの多孔質材料を用いた分離膜で、膜に開いた微細な孔を透過する気体分子の大きさの違いを利用し、水素と他の気体分子を分離しています。
しかし水素以外の分子も微量透過してしまうため、一度の透過では十分な純度の水素を得ることができません。
よって、高純度の水素を得るためには二段階、三段階の透過をする必要があります。

多孔質系分離膜の構造

多孔質系分離膜の構造

金属系分離膜

水素だけを透過する金属による分離膜で、これまで最も主流な金属としてパラジウム(Pd)が利用されてきました。

しかし、このパラジウム(Pd)という金属は金(Au)や銀(Ag)などと同じ貴金属の仲間であり、とても高価です。
そこで他の安価な金属と合金化することでパラジウム(Pd)含有量を減らし、コストを抑えた合金膜の開発に着手しましたが、 パラジウム(Pd)合金を用いた分離膜はパラジウム(Pd)単体の分離膜と比べて水素を透過する効率が悪く実用性に乏しいものとなってしまいました。

そこで本研究室が着目したのがニオブ(Nb)やバナジウム(V)といった5族の金属(周期表の左から5列目に並んでいる金属)です。
これらはパラジウム(Pd)より安価で、更に高い水素透過性能を持っているため、低コストかつ高性能な水素分離膜としての期待が高まっています。
唯一のデメリットとして、水素脆化(水素を吸収する事で材料が脆くなる現象)を起こしやすいという点が挙げられますが、他の金属と合金化することでこの現象が起こりにくくなる事が分かっています。

周期表

周期表

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