■ 教育プログラムで育成する技術者像と学習・教育目標

 本校は、「人間性に溢れ国際感覚を備え、探求心、創造性、表現能力を有する技術者の養成」を教育目的として掲げております。この技術者像は、本教育プログラム修了後も技術者としての経験を積みながら目指す人材像を示しております。この技術者像に照らして、本教育プログラムでは、学習・教育目標として以下に示す(A)〜(E)の5つの主目標と(A1)〜(E3)の11の到達目標を定めています。(A)〜(E)の5つの主目標は、本プログラム修了後も培っていくべき技術者としての5つの能力を示しており、(A1)〜(E3)の11の到達目標は、プログラム修了時点で身に付けておくべき能力を示しております。本教育プログラムを修了するには、全ての到達目標を達成する必要があります。


 (A) 愛の精神:

世界平和に貢献できる技術者に必要な豊かな教養、自ら考える力、いつくしみの心を身につける

(A1) 自ら考える力を身につける

(1) 自然や人間の活動を地球的視点から多面的に考察するために必要な基礎知識を有すること
(2) 情報を収集し、論理的に自らの考えを構築することができること
(3) 事実と自らの考え、他者の考えと自らの考えとを区別できること

(A2) 技術者としての倫理を身につける

(1) 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解していること
(2) 技術者が社会に対して負っている責任について理解していること

 (B) 科学や工学の基礎:

科学の粋を極める技術者に必要な数学、自然科学、情報技術、専門工学の基礎を身につける

(B1) 数学、自然科学の力を身につける

(1) 数学の基本的な問題が解けること
(2) 数学、自然科学の知識を活用して、自然現象の本質を問う問題が解けること
(3) 自主的、継続的に学習できること

(B2) 情報技術、専門工学の基礎を身につける

(1) 専門性に即して問題を掘り下げる上で土台となる情報技術と専門基礎知識があること
(2) 自主的、継続的に学習できること

 (C) コミュニケーション能力:

地域や国際舞台での活躍をめざして、多様な文化の理解とコミュニケーションできる力を身につける

(C1) 表現する力、ディスカッションする力を身につける

(1) 自ら表現したいことについて第三者が理解できるように明確に表現でき、そのテーマについて議論できること

(C2) 英語を用いてコミュニケーションできる力を身につける

(1) 英語で表現された文章を理解でき、英語による簡単なコミュニケーションができること

 (D) 技術者としてのセンス:

創造的技術者としてのセンスを磨き、探究心、分析力、イメージ力を身につける

(D1) 探究心、分析力、イメージ力、デザイン能力を身につける

(1) 技術的対象に対して、計測測定を行い、問題を分析することができること
(2) ものやシステムを創造するために結果をイメージして、その結果を得るための方法やシステムなどをデザインすることができること
(3) 問題を深く掘り下げる努力ができること

(D2) 協力して問題を解決する力を身につける

(1) 問題をチームで解決する体験を得ること
(2) 問題解決を分担化し、自らの分担を見定めて行動できること

 (E) 専門工学の活用:

専門工学の知識を修得してその相互関連性を理解し、これを活用する力を身につける

(E1) 専門工学の知識を獲得する

(1) 自らの専門性に即して、一つの分野を深く掘り下げることのできる専門工学の知識があること

(E2) 工学の相互関連性を理解する

(1) 技術が、ものやシステムの複雑なつながりによって成り立っていることを理解していること
(2) 自らの専門以外の一つ以上の分野について基礎的な知識を有していること

(E3) 専門分野における研究開発の体験を通して問題を発見し、解決する力を身につける

(1) 自らの専門分野において、問題の所在と性質を見極め、その対処法あるいは解決法をデザインし、これを実行することができること